高齢者向け保険

支払い条件が厳しく長生きするほど損!

 昨今のシニア層は、国内消費の重要な牽引役だ。生保各社もここ数年、「シニア向け」保険商品の開発に余念がない。
 シニア向け商品は、大別して知らないと掛け金貧乏になる高齢者向け保険の実態加入可能年齢が高い通常の保険(医師の診査、告知が必要で、病気の入は原則的に加入できない)、支払い保険と入院給付金のからくりを検証健康状態の告知項目が緩やか力保険(入院・手術歴があっても現在発症していなければ可、保険医師の診査がなく、健康状態の告知もない保険(病気で治療中の入も可)の三つがある。
 最近、高齢者に人気があるのは保険。「無選択型保険」とも総称される。高齢になれば、誰でも一つや二つの持病はある。しかし、生命保険は原則的に病気の人は加入できない。加入者が一定の確率で保険事故(保険金支払いの対象となる事由)に遭うことを前提に保険料を徴収するので、病気の人ばかり加入すると保険金支払いの前提が崩れてしまう。だから、契約前には医師の珍貴や健康状態の告知によって、加入者の選別を行うのだ。
 無選択型保険は、この選別をしないから誰でも加入できる。しかし、保険金の支払いに非常に厳しい条件がついていることはあまり知られていないようだ。
 無選択型の医療保険(病気やケガの保障)は、契約前にかかったことのある病気は基本的に保障されない。その病気と医学上関連がある病気も支払いの対象外となる可能性がある。新しくかかった病気も、一般に加入から九〇日間は免責となる。何のために入ったのかわからぬような厳しい条件だが、保険料は割高だ。たとえば、某社の無選択型医療保険に六〇歳男性が加入して八五歳まで継続したケースでは、更新ごとに支払限度日数の一二〇日間入院したとしても、もらえる給付金はわずか三〇〇万円。一方二五年間に支払った保険料総額は約三九〇万円で、九〇万円も損をする手術給付全、通院給付金を考慮せず。。
 死亡時の保障をする無選択型終身保険も、通常は加入から二年以内の死亡は払込保険料相当額しかもらえない。二年経過すれば通常の保険金を受け取れるが、終身払いなので保険料は一生払い続ける。某社の無選択型終身保険(月払い保険料六〇〇〇円、死亡保険金九三・六万円)に六〇歳が性が加入したケースでは、加入から十三年一ヵ月で、死亡保険金額と支払った保険料総額が逆転。以後、長生きするほど損をする。
 「誰でも入れる」という入り口だけ見ていると、いざというとき「こんなはずでは……」と後悔することになりかねない。
 結論を言えば、無選択型保険の加入はお勧めできない。高齢者でも安易に無選択型保険を選ぶのではなく、まずは知らないと掛け金貧乏になる高齢者向け保険の実態や支払い保険と入院給付金のからくりを検証のタイプを検討するべきだ。たとえ病気で通常の保険に入れなくても、貯蓄があれば医療費やお葬式代には困らない。あえて割高な保険に入るより、貯蓄を増やすことで対応したほうがいい。

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